希釈装置

Dilution Equipment

Technology

ベンチュリ式希釈装置とは

水溶液(切削油・研削油・洗浄液など)を希釈する際に使用する希釈装置。エアーも電気も使わず水道の圧力のみで負圧を発生させ原液を吸い上げるベンチュリ式希釈装置についてご説明します。

主に切削油の希釈作業の省力化に用いられる装置です。一般的に原液の入ったペール缶やドラム缶に取付け、水道からホース等で水を供給します。一旦任意の濃度に調整すれば、その後はバルブを開くだけで希釈液が吐出ホースから出てくる大変便利なものです。精密なポンプや計測機を使用しないため、高性能の希釈装置と比べて精度は劣りますが、その分安価で使用することができます。

バルブを開くと水道の水圧で放水されます。水が装置内の絞られた経路を通過する際に、ベンチュリ効果によってその周囲が負圧になります。装置内の経路は原液を吸い上げるホースとつながっているため、負圧によって原液が吸い上げられ、水と混ざって吐出ホースから出ていきます。原液が通る隙間の面積を調整することで、原液が流れる量を変化させられますので、吐出される液を濃度計で確認しながら任意の濃度になるように調整します。一旦調整すると水圧に大きな変化がない限り、バルブを開くだけで一定した濃度の希釈液が作れるというわけです。

理想的な希釈効果が得られる

ベンチュリ式希釈装置のメリットは希釈作業の省力化だけではありません。手作業で希釈するよりも高品質の希釈液をつくることができます。水溶性切削油を手作業で希釈する際、原液がうまく混ざらず不純物のように液面に浮いていることがよく見受けられます。こうした浮上油はクーラント液が空気を取り込むことを阻害するため、腐敗速度を早めてしまいます。また均一に混ざっていないため切削性能も本来の効果を発揮できません。

一方ベンチュリ式希釈装置は水と原液が常に一定の割合で連続的に混ざっていきますので、原液を最後まできれいに混ぜることができます。

動作原理

1

水道水が装置内の絞り部を通過

2

ベンチュリ効果で周囲が負圧に

3

負圧で原液タンクから原液を自動吸引

4

設定濃度の希釈液を吐出

Benefits

希釈装置の利点

安定した濃度管理

手作業と異なり、水と原液が常に一定の割合で連続的に混ざります。作業者によるバラつきがなく、品質の均一化が図れます。

作業安全性の向上

バルブを開くだけの操作。作業者が原液に直接触れる必要がなく、皮膚への刺激や健康リスクを低減します。

電気・エアー不要

水道圧のみで動作するため、電源や配管工事が不要。シンプルな設置で導入コストを最小限に抑えられます。

Caution

ベンチュリ式希釈装置の注意点

【一定の水圧で使用すること】

濃度設定した時と水圧が変わると濃度が変わってしまいますので、濃度調整した際の水圧を記録し、都度水圧におおきな変化が無いか確認して使用する必要があります。

【原液の動粘度が濃度に影響】

水溶性油剤の原液はその種類によって動粘度が異なります。動粘度が高いほど粘り気が強く、同じ負圧でも吸い上げられる量は少なくなりますので、その分濃度は薄くなります。

【周囲温度の影響】

油は温度によって動粘度が変化します。濃度設定した時と気温が大きく変化すれば濃度も変化しますので、できるだけ温度変化の少ない場所で使用するか、季節の変わり目ごとに濃度設定を見直す必要があります。

【吐出ホースの先にバルブ等を付けるのはNG】

希釈装置の吐出ホースの先に絞り(内径を細くする)を入れると、水の放水速度が制限され負圧が発生しなくなります。吐出ホースにバルブ等をつけたり、延長したりすると希釈が正常に行われなくなる可能性がありますので注意が必要です。

【使用後のサイフォン現象に注意】

希釈装置を使用後バルブを閉めると水道は止まりますが、原液だけが吐出ホースから少しずつ流れ出る場合があります。これは吐出ホースの先端がタンクの液面につかっていたり、吐出ホースを長く延長したりすることでホース内に空気が入らないため、サイフォン現象が発生して、原液だけが流れ出てしまうのです。灯油ポンプと同じ原理です。バルブを閉めた後に吐出ホース内の液をしっかり抜くようにするか、ホース先端を原液の容器よりも高い位置に固定するようにしてください。

Product Lineup

自動希釈バルブ

KS-ADV2シリーズ

バルブを開くだけで自動で希釈液をつくることができます

水溶性クーラントや洗浄液等の希釈作業がバルブを開くだけ!

主な特徴

  • 電気やエアーを使用せず、水圧と水流で原液を吸い上げます。
  • エマルジョンでも希釈できます。
  • 安定した濃度管理ができます。希釈の際、作業者は直接原液に触れません。
  • 圧力計で圧力確認できますので、安定した希釈作業ができます。
  • ドラム缶、ペール缶、一斗缶に取付けて使用できます。
  • 原液タンク付きタイプは残量が一目でわかります。
型式 サイズ(mm) 価格(税別) 送料(税別)
KS-ADV2 65×180×205H 90,000円 1,500円
KS-ADV2S 80×180×270H 95,000円 1,500円
KS-ADV2D 80×180×270H 95,000円 1,500円
KS-ADV2P 原液タンク付 300×380×533H 107,000円 送料込み

※価格はすべて税別。送料は北海道・沖縄・離島を除きます。

型式:KS-ADV2(標準タイプ)

金属配管に直接接続して使用します。

【付属品】放出用ホース2m、吸上用ホース2m、ホースバンド、フートチャッキ弁

型式:KS-ADV2S(ペール缶・一斗缶タイプ)

ペール缶、一斗缶に固定して使用するタイプ。※ペール缶と一斗缶の適合口金サイズはB40のみとなります。

【付属品】放出用ホース2m、吸上用ホース2m、ホースバンド、フートチャッキ弁

型式:KS-ADV2D(ドラム缶タイプ)

ドラム缶に固定して使用するタイプ。

【付属品】放出用ホース2m、吸上用ホース2m、ホースバンド、フートチャッキ弁

型式:KS-ADV2P(原液タンク付タイプ)

原液の残量が一目でわかります。容量30Lですので、ペール缶がそのまま給油できます。原液が空になっても本体を付け替える必要がありませんので、液だれ等で現場を汚すこともありません。

【付属品】ホース等は本体に接続した状態で出荷されます。

*オプションで60Lタンク仕様も製作できます。

設置上の注意点

装置本体を原液容器(ペール缶等)に直接固定しない場合、原液容器は装置本体の真下に置き、吸上げホースができるだけ短くなるようにしてください。自動希釈バルブはインラインでの使用はできません。希釈液放出側のホースから希釈液タンクにそのまま供給してください。放出側ホースを延長したり、先端にバルブや配管を接続しないでください。

使用方法

よくあるご質問

粘度の高い原液でも希釈できる?

使用環境にもよりますが、希釈濃度10%とすると動粘度(40℃)MAX150㎟/s(cSt)程度までなら希釈できます。くわしくは弊社までお問い合わせください。

一旦設定したら濃度は変わらない?

水圧が一定であれば変わりません。ただ原液(油)は温度によって粘度が変わりますので、温度が低くなるほど希釈濃度は低くなります。できるだけ温度変化の少ない場所で使用するか、温度変化に合わせて定期的に微調整が必要です。

一台の希釈バルブから複数台に分配できる?

放出側のホース(2m)の先を分配したり、延長したりすると正常な希釈ができなくなりますので、分配はできません。

水道から使用したい場所が遠い場合はどうすればいい?

放出側のホースは延長できませんので、自動希釈バルブと水道をつなぐホースを延長してください。その際ホース内径は15mm以上のものをご使用ください。

希釈液タンクが減ったら自動で給油できるような仕様はある?

自動給水仕様がございます。水溶液自動供給装置(自動希釈バルブ自動給水仕様)をご参照ください。

真鍮の部品を使っているけどステンレスに変更できる?

オプション対応で変更できます。

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